環境色彩研究会からのお知らせ

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2013年8月7日(水) 景色通信Vol.50『浅草・伝法院通りの地口行灯』

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景色通信Vol.50
『浅草・伝法院通りの地口行灯』

 今では私が上京してきた昭和30年代には、及ぶべくもありませんが、浅草の人出も多くなってきています。その原因の一つに街並景観の整備があると思っています。
 江戸時代の和のイメージを建物の外装や、屋外広告物・サインなどに取り入れてまちづくりをしようと、「伝法院通り江戸まちづくり景観協定」(平成17年6 月認定)がつくられ、まちづくりが進められた結果、人の流れが大きく変わったと言われています。
 その中で装飾街路灯として作られたのが、地口行灯(じぐちあんどん)です。
地口とは、世間で言われている成句を、発音が似通っていて意味の違う成句に作りかえる言葉遊びのことです。今風にいうと、駄洒落とか親父ギャグに近いものです。地口行灯は、地口に多くは戯画を添えた行灯で、祭礼の折などに路傍や軒先に掛けたもので、江戸時代の風物の一つでした。
 伝法院通りには表裏に戯画を添えた現代の地口行灯が十基近く設置されていて、路行く人たちを和ませてくれ、個性のある通り景観を創っています。
 浅草を訪れたときは、ぜひ立ち寄って地口行灯を楽しんでください。
 他のまちづくりでも、このアイディアを取り入れてみては如何でしょう。親父ギャグも捨てたものではありません(永田泰弘)













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日本色彩学会
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