くらしの色彩研究会からのお知らせ

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2016年11月29日(火) 2016年11月26日(土)27日(日)日本色彩学会研究会大会 くらしの色彩研究会企画報告

2016年11月26日(土)27日(日)日本色彩学会研究会大会 くらしの色彩研究会企画報告

 くらしの色彩研究会では、招待講演と2つのワークショップ@「香りからイメージする配色表現」A「肌の物理測色と視感評価」を企画、さらにポスターの展示を行った。
招待講演は、埼玉女子短期大学の山田雅子教授による「肌と色彩の心理学」で、初日の朝一番にも関わらず70名余の聴講があった。肌はその物理的性質を対象とした研究が盛んであるが、性差感や理想と現実の乖離など、山田先生ならではの心理的・社会的な側面からアプローチした研究内容に、女性だけでなく多方面の研究者の関心も得られたと思う。
 WS@は、香水の香りから想起される配色を作成するワークショップである。これは2012年〜2016年に渡り全国大会で発表してきた内容に関連したもので、香りを使った配色ワークから複雑な香りを視覚的に表現できる可能性を見出し、さらにはアロマ・パッケージのデザイン提案という研究の流れを追跡できる企画となった。配色のWSには23名の参加があった。
 WSAでは、モデルの肌を測色した上で、WS参加者でモデルの肌印象を評価した。研究会は貴重なデータが得られ、モデルは自身の肌色データと肌印象評価が分かるという、双方にとって有益となる企画である。WS全体では35名(内モデル12名)の参加があった。得られたデータを土台に、肌の見た目印象と物理的測色値との関連を研究として発展させる予定である。また、コニカミノルタジャパン梶E兜ェ光応用技術研究所・ノブオ電子鰍フ3企業の協力で、WSに関連した機器のデモを実施して頂いた。
 ポスター展示では、関連する研究発表を連ねて展示でき、各研究のテーマと経過が分かりやすかった。
この研究会大会直後に研究会入会申込みもあり、研究会紹介の良い機会となった。
高松 操










2016年11月4日(金) 2016年11月2日(水)ヴォーリズ建築 重要文化財「神戸女学院」見学会

2016年11月2日(水)ヴォーリズ建築 重要文化財「神戸女学院」見学会

 秋の澄んだ青空が広がる11月2日、ヴォーリズ建築 神戸女学院の見学会が開催された。
神戸女学院は1933年にヴォーリズにより建築された大学キャンパスで、2014年に校舎12棟が国の重要文化財に指定された。「スパニッシュ・ミッションスタイル」と呼ばれる各建物は、機能による形態と細部意匠に変化をつけて個性を持たせており、ヴォーリズの最高傑作とも言われている。
 通常、神戸女学院の見学は限定予約のみと機会が非常に限られているが、卒業生である乾宏子氏の計らいで、特別に今回の見学会が実現した。
この神戸女学院はヴォーリズ最愛の妻である一柳満喜子の母校で、愛情あふれるような温もりを感じる空間が広がる。まずは美しいタイルやレリーフが見られる音楽館を左手に、緑の中の石段の小径を上がる。敷地内には建物が点在し、それらは木漏れ陽が心地よい窓が続く渡り廊下でつながっている。敷地の中心には広い中庭があり、各建物や渡り廊下からの眺めを楽しめる。
 ギリシャ宮殿のような大理石のロビーを抜けると、そこは天井梁の唐草模様の装飾が愛らしい、吹き抜けの図書館。ここは特に北側のアーチ型窓から見る中庭の景色が素晴らしい。
また、学院四代目院長ソール女史にちなんで名付けられたソールチャペルには、静粛な空気漂い、七本の燭台のステンドグラスはじめ、ヴォーリズ氏のこだわりが随所にあふれ、その美しさにため息が出た。
 他にも、理学館には「隠し屋上」があったり、女学院の校章にもなっているクローバーにちなんだ、「隠れクローバー」があったり、建物の中には様々な「仕掛け」が発見されるところが興味深い。
 そんな遊び心たっぷりの「仕掛け」や、使いやすいようにと配慮された建物の細部、そして優しい光と穏やかな空気。ヴォーリズの温かな人柄が伝わるこの空間を、参加者たちは心ゆくまで満喫した。
 その後、これもヴォーリズ建築である関西学院大学を見学し、充実した見学会を終えた。参加者11名。

※神戸女学院は、ホームページに於いての建物等の写真紹介が制限されております。そのため今回は神戸女学院で撮影された写真を掲載しておりません。下写真は関西学院大学の新月池。ヴォーリズらしい「スパニッシュ・ミッションスタイル」が水辺に映り込む、美しい場所です。





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